こんにちは、Ryoです。
なんとなく感覚でやっている場合もあるかもしれませんが、今回はカールアイロンの基本的な巻き方を基準に、
様々なカールを作るための”巻き分け”
についてお伝えしていきます。
僕がセットを覚えたサロンは銀座だったので、ヘアアイロンよりもカーラーでのセットが主流でした。
もちろん銀座でもアイロンは使いますが、ヘアアイロンに関しての基礎は、基本的なMIX巻きくらいしか教わりませんでした。
(ちなみに、ここでいうMIX巻きというのは内巻きと外巻きを交互に巻いていく巻き方の事です)
しかし、他にもいろいろな巻き方があるのはわかっていましたし、
Aさんが作るMIX巻きと、Bさんが作るMIX巻きでは、同じMIX巻きでも仕上がりが全く違う
という事にも疑問を抱いてました。
ただ「なぜ違うのか」という部分を、まだペーペーだった頃の僕では気づくことができず、明確に教えてくれる人もいませんでした。
そんな当時の僕が知りたかった事を、これからお伝えしていきます。
アイロンで髪の毛を巻く時にこの部分をしっかりと理解しておくことで、いろんなデザインの巻き方が出来るようになり、ただの巻き下ろしでもデザインの幅が広がります。
単純な巻く作業からさらに進んだ話になるので、小難しい部分もあるかと思いますが、ぜひ理解して活用してください。
カールの巻き分けについて
カールアイロンは「巻き方」、「アイロンを入れる角度」など様々な操作によってカールの出方をコントロールすることが出来ます。
アイロンのサイズを変える事でもカールの出方は変わりますが、今回はわかりやすく比較するため、
「32mmのアイロンだけを使い、基本的な巻き方で出来るカール操作」
を解説していきます。
ヘアアイロンの「角度」で変わる仕上がり
まずは、ヘアアイロンを入れる”角度”による巻き分けです。
角度は大きく分けて、縦、横、斜めとありますので、順に解説していきます。
アイロンを“縦”に入れた場合
アイロンを巻く時に、アイロンの角度を縦にして巻いていきます。
●右巻き
●左巻き
●仕上がりの状態
アイロンを縦に入れているので、仕上がりは縦ロールのようなしっかりとした巻き上がりになります。
普段ここまでグリグリに巻く事はありませんが、しっかりした巻きに仕上げたい場合には使えます。
アイロンを“横”に入れた場合
アイロンを巻く時に、アイロンの角度を横にして巻いていきます。
●右巻き
●左巻き
●仕上がりの状態
アイロンを横に入れて巻く事で、巻き上がった時にカールが大きく広がり、大きな螺旋のカールに仕上がります。
巻き自体はゆるいわけではないですが、螺旋が大きい分ゆるっとした印象に。
斜めに入れた場合
アイロンを巻く時、角度を斜めにして巻いていきます。
●右巻き
●左巻き
●仕上がりの状態
仕上がりは、縦と横の中間くらいのカール感になります。縦ロールすぎず、ゆる過ぎずなカールですね。
斜めの角度は体制的にも一番巻きやすいので、巻きの練習をする時はこの角度から慣れていくといいですよ。
<仕上がり比較>
角度+アイロンの「入れ方」で変わるカールの違い
角度以外にもとても大事な要素があります。
それはアイロンの入れ方です。
アイロンの入れ方というのは、ざっくり言うとアイロンをパネルの“上から入れる”か“下から入れる”かの違いです。
細かいですが、この入れ方一つでもカールの出方が変わってしまい、僕が見てきた中でも
角度は理解していても、ここを理解出来ていない場合が結構多いです。
ここを理解していないと、同じ向きに巻いたとしても巻き上がりは別物になってしまうので注意しましょう!
言葉だけでは伝わりにくいと思うので、見比べるためにgif動画を用意してみました。
仕上がりの向きはどちらも右巻きに仕上がります。
●パネルの「上」からアイロンを入れるとは?
gifをよくみていただくとわかると思いますが、パネルの上側からアイロンが入っていると思います。
これが「アイロンをパネルの上から入れる」という事です。
●パネルの「下」からアイロンを入れるとは?
上からの場合と違い、パネルの下側からアイロンが入っています。
これが「アイロンをパネルの下から入れる」という事になります。
(ちなみに最初の角度(縦・横・斜め)の解説では、アイロンは全て「下」から入れています。)
・・・アイロンの入れ方の違い、わかりましたか?
ちょっと微妙な違いかもしれませんが、わからなければ何度も見比べてみてくださいね!
この入れ方の違いを理解した上で巻いていくと、以下の画像のように巻き分ける事ができます!
●「上から」アイロンを入れ、角度は「横」で巻いた場合の巻き上がり
●「下から」アイロンを入れ、角度は「横」で巻いた場合の巻き上がり
・・・仕上がりが違っていることにお気づきでしょうか?
上からアイロンを入れた場合は、
スタートがえぐれたカールで始まり、かなりリッジの効いた印象に。
下からアイロンを入れた場合は、
スタートが膨らむので、ボリュームアップした印象に巻き上がります。
同じ角度で巻いても、アイロンを上と下のどちらで入れるかによって巻き上がりが違うのがわかりますね。
縦、横、斜めの角度に加え、アイロンの入れ方まで考えると、
基本的な巻き方でも実はかなりのバリエーションが存在したことがわかっていただけたかと思います。
「斜め」+「上から」入れた場合の仕上がり
●右巻き
●左巻き
「横」+「上から」入れた場合の仕上がり
●右巻き
●左巻き
「下」から入れたバージョンは、最初の項目で全て見せているので、「上から」入れた場合の「斜め」と「横」の仕上がりの違いです。
どちらもスタートがえぐれてリッジの効いたカール感が出てきます。
アイロンの「角度」と合わせて「入れ方」も理解して組み合わせる事で、単なるMIX巻きでも複雑に見える巻き感を作り出す事ができるようになります。
その他の巻き分けについて
主に角度や入れ方について解説してきましたが、補足として、巻き方と外し方の違いによる巻き分けも少し解説していきます。
この辺は知っているかもしれませんが、念のため補足しておきますね!
巻き込んだあと一つずつ外していく
通常通り巻き込んだあと、一気に外さず巻き込んだ部分を一つずつ外していく巻き方です。
こうする事で、通常よりもさらにゆるく巻きをつけることができます。
巻き込んだあとねじりを加えながら外していく
巻き込んだ後にねじりながら外していきます。
何年か前にすごく流行った、通称”わかめ巻き”と呼ばれる巻き方も、このようにねじりながら外すことによって出来ます。
仕上がりはかなりゆるめのウェーブに近いです。
根元から巻き込んでいく
僕の場合は、基本的に少し滑らせながらテンションをかけて巻いていく場合が多いのですが、根元からしっかりとカールをつけたい時にはこの巻き方をします。
巻き方は、根元ギリギリからアイロンを当てて、そこからコテの回転で髪の毛を巻き込んでいきます。
根元に熱が当たってる時間が長いので、根元からしっかりカールがつきやすい巻き方となります。
その他
他にも、
アイロンの温度を下げて巻いてみたり…
毛先をあえて巻かずに逃してみたり……
毛束をねじってから巻いてみたり………
言い出せばキリがないほどの様々な巻き方があります。
これらは、角度や入れ方を理解した後で、いろいろ挑戦してみてくださいね。
おわりに
髪を巻く時は、「角度」と「入れ方」を意識しながら!
そうすることで均一なカールで巻けたり、部分部分で使い分けることでいろんなデザインに対応できます!
これにプラスしてアイロンのサイズ、巻き方と外し方、設定温度など細かく変えることでカールのつけ方は無限大に広がります!
さらに、スライスの取り方・ほぐし方・質感なども含めれば、
巻き下ろしは“ただ巻くだけ”のスタイルではなく、アップと同じように無限に表現が可能になります。
・・・思ったより奥が深いと思いませんか?
まさしく今はタイムリーで、こういった「人に合わせてデザインする巻き方」が求められていますね!
あなたも練習しながらいろいろと試してみると、新しい発見があるかもしれません。
その中で、あなただけの巻き方が見つかったら、それは今後の武器になる事間違いなしです!